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ADHDや鬱にロボトミーか電気ショック治療か?鬱でロボトミーをされそうになった敏腕外科医の話し。~中編~

2019年10月26日ADD, ADDと病院, ADDと脳, ADDの科学ロボトミー, 精神疾患, 精神病, 精神科医, 電気ショック,

昨日は、電気ショック治療の始まりについて、
「人間らしい死にかた~人生の最終章を考える~」
で有名作家でも医師でもるシャーウィン・ニューランド氏のTED2003のスピーチかから
電気ショック療法の始まりをご紹介しました。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
電気ショック療法の始まりは悪魔祓いだった!?

本日は、外科医ニューランドさんの電気ショック療法の体験についてご紹介します。

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ニューランドさんは、3
「私は、30年も前に2コースの長期にわたる電気ショック療法によって 命を救われた人間です。」
と自分自身の事をTED2003で語っています。

彼には元から、少しうつ傾向がありました。
そのうつ傾向が、結婚後の不仲によって数年間で少しずつ進行し、
とうとう仕事にまで支障がでてきました。

うつ症状の典型ですが、布団から起き上がる事ができなくなり、
外科医手術の時間をどんどん遅らせてお昼過ぎに設定しても、つらい状況になりました。

ニューランドさんの鬱は同僚にも知られ、患者も最後にはゼロになってしまいます。

そして、同僚から大学病院の精神科への入院をススメられます。
しかしそこでの6週間の治療は意味をなさず、退院後は更にひどい状態に陥っていました。

風呂にも入らず、髭もそらず、足をひきずりつんのめったりしていました。

そして1973年の春にとうとう、その当時コネチカット州でもっとも大きな精神病院だった、”ハートフォードの静養所”と呼ばれるインスティテュート・オブ・リビングへ入院することになりました。

そして そこの医師によって、
すべての方法が試されました。

まず医師たちは、ニューランドさんに一般的な精神療法を試しました。
当時入手できるすべての薬を試しました。
しかし、その薬は彼を黄疸にしただけで何の効果もありませんでした。

ニューランドさんは、コネチカット州で有名だったため、 特別待遇として、全てのシニアスタッフが彼の治療方針を決める為に集まり、ミーティングを開きました。

そしてそのミーティングの結論は、「方法は何も残されていない」というものでした。


ただ一つ、1940年代はじめにハートフォード病院で開発された、1つの恐ろしい方法「ロボトミー」しかないという結論だったのです。


しかし、この時、ロボトミー手術がシニアスタッフによって決定された事実をニューランドさんは全く知らなかったのです。

かつて行われていた恐ろしい精神外科ロボトミー手術を知らない方の為に

ロボトミーは、かつて精神疾患の治療法として流行した精神外科(せいしんげか)の一種で、大脳を切り取る外科手術を行うこと。
その代表的なものにロボトミー手術があります。

ロボトミーを受けるとどうなるの?

ロボトミーを扱った有名な映画に『カッコーの巣の上で』という映画があります。
その中の登場人物の一人、マクマーフィーはロボトミー手術をされます。

映画の中の表現を借りると、

戻ってきたマクマーフィー、病院が行った治療(ロボトミー)によって、もはや言葉もしゃべれず、正常な思考もできない廃人のような姿になっていた。

ということです。。。

〈誰がニューランドさんをロボトミー手術から救ったのか?〉
ロボトミー手術の準備がニューランドさんに知らせれないまま、水面下で進んでいた頃、
当時ニューランドさんの担当レジデント(研修医)だった、27歳の青年が、シニアスタッフ達の決定を知って、話し合いを申し込みました。

この医師は、とても優秀で将来有望だった為、シニアスタッフたちは、彼の申し出を受け入れました。

そしてその場で彼はシニアスタッフ達に向かって毅然とこう言ってのけたのです。
彼は断固たる態度でこういったのです。

「違います 私は患者をあなた方の誰よりも知っています。
私は彼に何度も何度も会って来ました。

あなた方は彼の行動をたまにみて、彼に関するレポートを読んだだけではありませんか?」

「私は正直 彼の基本的な問題は
ただのうつ病から来ているものだと信じています。」

「そして全ての強迫観念もそこから来ていると考えます。
それに当然のことながら前頭葉前部に対するロボトミー手術をしたら
どうなるかよくわかっているはずです。」

「かなり良くない結果から
ひどく ひどく ひどい状態の間のどれかになるはずです。」

「最善の結果になって今後強迫観念を持たなくなるかもしれません。
うつ状態ではなくなるかもしれません。
しかし彼の感情はなまくらになってしまうでしょう。」

「手術ができるようになるまでに戻ることはないでしょう。
2人の子供を愛した父親の姿に戻ることは二度とないでしょう。
彼の人生は変わってしまうでしょう。」

「普通の結果になるとすれば
最後は『カッコーの巣の上で』と同じことになるでしょう。」


「だからつまり彼の残りの人生は昏迷の中にあることです」

そして彼は、その場で「電気ショック療法を試してみるわけにはいきませんかね?」
とシニアスタッフ達に提案しました。

そして、シニアスタッフ達は、電気ショック療法に効果があるとは思っていませんでしたが、この将来有望なレジデントの機嫌取りのためだけに、彼の申し出をうけいれました。

機嫌取りですので、彼らは頭の中でこう考えました。
「そうね電気ショックの10回コースにしよう。
少々時間がかかるが大した違いはないだろう。」
そして10回コースを実施しました。

自分が知らないところでロボトミー手術が決定されていたなんてとても怖い話ですね。
明日はニューランドさんが実際に受けた電気ショック治療の中身をお伝えします。

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